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Q2019年薬機法改正の概要

Q 2019年の改正薬機法の概要はどのようなものでしょうか。

A 2019年12月に薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)が改正されました。改正内容は多岐にわたり、施行日も内容によって異なり、早いものから2020年9月1日、2021年8月1日、2022年12月1日となっています。

薬機法は、2014年に改正され薬事法から名称が変更となりましたが、この改正の際、施行後5年を目途として、改正後の実施状況を勘案し必要に応じて見直すことが附則として定められていたため、2018年から、本改正に向けて大きく三つのテーマで議論がされてきました。

① 高い品質・安全性を確保し、医療上の必要性の高い医薬品・医療機器等を迅速に患者に届ける制度
②       薬剤師・薬局のあり方
③       医薬品・医療機器等の製造・流通・販売に関わる者に係るガバナンスの強化等薬剤師・薬局のあり方医薬品・医療機器等の製造・流通・販売に関わる者に係るガバナンスの強化等    


「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」平成3 0 年1 2 月2 5 日厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会)

改正の概要は以下のとおりです。

① 高い品質・安全性を確保し、医療上の必要性の高い医薬品・医療機器等を迅速に患者に届ける制度

 患者のニーズに応える医薬品・医療機器等が迅速に提供されるよう、安全確保を前提とした上での審査制度等が見直されました。具体的には、厚生労働省の通知で運用がされていた、先駆け審査指定制度、条件付き早期承認制度が法制化、医療機器の特性を踏まえた承認制度の導入等がされました。また、国際的な整合性のある品質管理手法の導入、添付文書の電子的方法による提供の原則化、トレーサビリティ等の向上が改正されています。

② 薬剤師・薬局のあり方 

 医薬分業の現状を踏まえ「薬剤師が本来の役割を果たし地域の患者を支援するための医薬分業の今後のあり方について」がとりまとめられ、その上で、薬剤師の服用期間を通じた継続的な薬学的管理と患者支援及び医師等への服薬状況等に関する情報の提供、地域連携薬局及び専門医療機関連携薬局の導入、遠隔服薬指導、麻薬流通の合理化等が改正されました。

③ 医薬品・医療機器等の製造・流通・販売に関わる者に係るガバナンスの強化等

薬事にかかる許可等業者による、これまでの様々な不祥事等を踏まえて、薬事に関する業務に責任を有する役員を法律上位置付ける、許可事業者に関して法令遵守体制の整備の義務付け等ガバナンスの強化が求められることとなりました。

その他、医薬品等の虚偽・誇大広告による販売に対して課徴金制度の創設もされました。