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Q健康食品の効能効果の表示

Q 健康食品について、効能効果は標ぼうできますか

A 健康食品については、医薬品的な効能効果は標ぼうできません。

飲食物は、大きく食品と薬機法上の医薬品等に分類されます(食品衛生法第4条)。
このうち「医薬品」は、薬機法で以下のとおり定義されています(薬機法第2条1号)。

 ① 日本薬局方に収められているもの
 ② 人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物
 ③ 人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物

このうち、①の日本薬局方で収められているものは明確ですが、②③は、診断治療等に使用されることが「目的とされている物」とされています。この目的とされている物については、「医薬品とは、その物の成分、形状、名称、その物に表示された使用目的・効能効果・用法用量、販売方法、その際の演述・宣伝などを総合して、その物が通常人の理解において『人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている』と認められる物をいい、これが客観的に薬理作用を有するものであるか否かを問わない」(最高裁判所昭和57年9月28日)とされてています。
また、行政解釈においても、「医薬品に該当するか否かは、医薬品としての目的を有しているか、又は通常人が医薬品としての目的を有するものであると認識するかどうかにより判断することとなる。通常人が同項第2号又は第3号に掲げる目的を有するものであると認識するかどうかは、その物の成分本質(原材料)、形状(剤型、容器、包装、意匠等をいう。)及びその物に表示された使用目的・効能効果・用法用量並びに販売方法、販売の際の演述等を総合的に判断すべきものである。」とされています(昭和46年6月1日薬発第476号各都道府県知事宛厚生省薬務局長通)。そして、この通知では、成分だけでなく、以下の項目から医薬品該当性について検討するとしており、成分が一般に医薬品の成分等を含まない場合であっても、医薬品的な効能効果を標ぼうするものは原則として医薬品とみなすとしています。

① 物の成分本質(原材料)からみた分類
② 医薬品的な効能効果
③ 医薬品的な形状
④ 医薬品的な用法用量

したがって、医薬品等の承認等を受けていない健康食品について医薬品的な効能効果を標ぼうして販売等を行えば、それは原則医薬品と判断されることとなり、このような行為は、未承認医薬品の広告、未承認医薬品の販売、医薬品販売業等の許可を受けずに販売すれば、無許可での医薬品販売となって、薬機法に違反することとなります。最近では、医薬品ではないものを「新型コロナウイルスに有効」などと宣伝して逮捕されたという報道もあります。
医薬品的な効能効果の標ぼうに該当しないよう、健康食品の販売の際には注意が必要です。その他、景品表示法等の規制の問題もあります。

なお、「野菜、果物、調理品等その外観、形状等から明らかに食品と認識される物」「健康増進法(平成14年法律第103号)第26条の規定に基づき許可を受けた表示内容を表示する特別用途食品」(機能性表示食品等)は医薬品には該当しないとされています(前掲通知参照)。